かえで式筋トレ法 開発blog

「簡単」「家で」「誰でも」「気軽に」を目指して、器具不要の低負荷トレーニング法を模索するblog。という見かけの自己メモ。

あなたには『筋肉がない』わけではない。あなたの『筋肉は寝ている』のだ。寝ている筋肉を起こそう。

 あなたの二の腕は、ぷよぷよとした脂肪だらけだろうか。
 あなたのふとももは、ぷよぷよとした脂肪だらけだろうか。
 あなかのおなかは、ぷよぷよとした脂肪だらけだろうか。
 ……本当にそう思っているのならば、直ちにその考えは捨て去って欲しい。


 そのことを体感してもらうために、まず二つの考え方を示す。
 ・はじめは『運動して、筋肉を鍛えよう』と思ってはいけない。
 ・『力を掛け続けると、筋肉が腫れる』と考えてみてほしい。
 この考え方をもとに、ためしに『手では動かせない、がっちり固定されているもの』に手を掛けてから、ゆっくりとそれを持ち上げるように腕で力を掛けていき、筋肉が痛くなり始めたあたりの力で数十秒維持してみてほしい。
 そうすると、数十秒後に手を離した後も、腕の筋肉がいくらか腫れたように膨らみを維持するはずである……腕に痛みが残らない範囲で、数日間にわたってこれと同じ動作を「思い立ったときに繰り返して」みていくと、それが単なる腫れではなく、『力を掛けようとする意思に沿って、それに必要な筋肉だけが働いている』という感触を得られるはずである。
 あなたの体中には、こういった『寝ている筋肉』がたくさんあるはず……筋トレは、それを『起こしていく』作業に他ならない。


 『筋トレ』というと、真っ先に『運動しまくる』というイメージが立つ。
 しかし、もともとそういったことに縁遠かった場合、いきなり運動しても『疲れてしまって続かない』のがオチである。
 そうしたときに、筋トレに対する考え方として『動的に複数回力を掛ける』のではなく『静的に力を掛け続ける』方法もあるということを知っていると、トレーニングするときの心理的負担はぐっと減るはずである……そのことに気付いてもらうことを目的として、先の「ただ力を掛け続けるだけ」という方法を紹介した。

 
 腕の筋肉を起こす方法について体感してもらったところで、続いて一つの『簡単に続けられる、腹筋のルール』を提案する。
 『腹筋』と聞くと、これもやはり動的なトレーニングを連想してしまいがちなので、すごく身構えるかもしれない……というか、私自身が実際にそうだった。そこで、三日坊主どころか一日坊主が常習化している私にとって、もっとも挫折しにくくなるようにルールを組んでみたので、ピンと来た人は試してみて欲しいし、だまされたと思って試してみてもよいと思う。


 やることを一言で言うと、すなわち『お布団被って、寝しなにだらだら腹筋をする。』ということである。
 ここでは脂肪燃焼について一切考慮せず、単純に「脂肪の下にある筋肉を鍛える」事だけを目的としているため、実際に腹筋が鍛えられたあとでも、皮下脂肪があるために腹筋の見た目は極端には変わらない。その一方で、腹筋に力を入れたときに触る感触は明らかに変化するし、腹筋が鍛えられることによって内臓を支える力が復活するので「立ち姿でおなかが出っ張りにくくなる」ことと「便秘癖のある人にとって改善効果がある」ことはほぼ間違いないはずではある。

 
【腹筋のための予備トレーニング】
 「腹筋運動をする」という考え方ではなく、「腹筋を使って、中途半端にからだを起こした状態を維持する」という考え方で取り組む……つまり、動くのではなく、『腹筋の途中姿勢で維持』することだけを目標にする。
 寝るためにと布団に入ったら、腕を水平にしたまま、からだを30°~45°程度起こす。腹筋がぷるぷると震えてキツくなってくるはずなので、耐え難いと思うところに来るよりも少し前に、一旦力を緩めて寝そべる。
 これを何度か繰り返し、少しでもからだを起こすと腹筋が痛いという感じがしたら、その時点で当日のトレーニングは終了。
 翌日~翌々日くらいは腹筋が痛むので、痛いときには絶対にトレーニングをしないこと。2~3日後の痛みがひいたころを見計らって、再び『腹筋の途中姿勢で維持』をやってみる。


 このときの注意点として、絶対に『耐え難いと思うところ』に来るまで静止維持をしないこと。その手前で一旦力を抜いて、小休止して落ち着いたら再びやる……という事を繰り返すこと。
 このトレーニングでは『連続して静止維持出来ていた時間』など何の意味もない。『その夜に静止維持出来ていた時間の累積値』のみが重要である。小休止を細かく取れば累積時間が長く取れるという場合は、積極的に小休止をはさんで欲しい。
 数十秒~一分以上、静止維持を持続できるようになってから、つぎの『実際に腹筋をしてみる』ところに移ってほしい。おおむね、1~2週間程度でいけると思われるが、個人差は大きいはずなので、自らの判断をもって決めて欲しい。


【実際に、小休止をはさみつつ腹筋をしてみる】
 寝るためにと布団に入ったら、腕を水平にしたまま、からだを90°程度まで起こし、そしてゆっくりと寝る、ということを繰り返す。腹筋がぷるぷると震えてキツくなってくるはずなので、耐え難いと思うところに来るよりも少し前に、一旦力を緩めて寝そべる。
 これを何度か繰り返し、少しでもからだを起こすと腹筋が痛いという感じがしたら、その時点で当日のトレーニングは終了。
 翌日~翌々日くらいは腹筋が痛むので、痛いときには絶対にトレーニングをしないこと。2~3日後の痛みがひいたころを見計らって、再び『小休止をはさみつつ腹筋』をやってみる。


 このときの注意点として、絶対に『耐え難いと思うところ』に来るまで腹筋をしないこと。その手前で一旦力を抜いて、小休止して落ち着いたら再びやる……という事を繰り返すこと。
 このトレーニングでは『連続して腹筋できた回数』など何の意味もない。『その夜に腹筋できた回数の累積値』のみが重要である。小休止を細かく取れば腹筋回数が多く取れるという場合は、積極的に小休止をはさんで欲しい。



 ……こういった『だらだらとトレーニング』という方法は、一般に効率がよくない。
 しかしながら、効率のよい方法をやろうとしても『続かないのならば、何の意味もない』わけで、ここでは『とにかく続けやすく、つらくなりにくい』方法を提示することにした。
 当然、効率がよくないので効果が出るには時間が掛かる。便秘癖の改善には1~2週間後に、腹筋に力を掛けた場合の触った感触の変化は1~2ヶ月後に現れるはずである。
 三日坊主どころか一日坊主が関の山、というひとや、体力がなさすぎて続いたためしがない、という方にこそ試してもらいたいという思いで、この『だらだらとトレーニング』を提案する。

 

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2012/02/05追記)

 体はとても正直 で、痛みに関する誤ったメッセージを発することは、まずない。そのため、上記のことを、より簡単に説明するためには、痛みというメッセージを、以下のよう に「腹筋さんが喋る声」と解釈してみよう。そうすることで、より簡単に、このルールを理解し、人にも伝えることができる。

・はじめに1~2回腹筋テストをしてみて、そこですでに腹筋が痛い時は、腹筋が『今日は腹筋をする日じゃないよ!』って言っている。

・腹筋テストで痛みがなければ、何回かやってみる。そのうち腹筋が痛み出したら、腹筋が『そんなに続けないで、一旦小休止しようよ~。』って言っている。

・何度か休憩しつつ腹筋を続けて、腹筋が結構痛くなったら、腹筋が『ん、よくがんばったよ!あとはそのまま寝ようよ。』って言っている。

……と、こんな感じで『擬人化』してみると、腹筋の痛みからネガティブな「挫折感」を連想する恐れが減り、「体が発する、正直なメッセージ」とポジティブな捉え方が可能になる。
 あなたの「腹筋さん」が言うことは、あなたにとって常に真実です。体が言うとおりに腹筋を鍛えれば、「腹筋さん」は絶対にあなたを裏切らないし、あなたがトレーニングしたとおりに応えてくれます……トレーニングすれば筋力がつくことは、誰にとっても正しい。

 

 ……ケータイやパソコンの操作に慣れると、時折『指に宿る記憶』を実感するときがあると思います。それと同じように、『腹筋に宿る記憶』もまた実在します。

 腹筋が痛いときには無理してトレーニングしなくても、その姿形をきちんと保ち続けています。そして、わずかなトレーニングでも積み重ねていけば、少しずつ腹筋運動できる回数も増え、鍛えた腹筋があなたの姿形をより良くしてくれます。

 長い期間をかけて、ゆっくりじっくりと「腹筋さん」の声に耳を傾け続けてみましょう。決して、あなたの期待を裏切ったりはしません。