かえで式筋トレ法 開発blog

「簡単」「家で」「誰でも」「気軽に」を目指して、器具不要の低負荷トレーニング法を模索するblog。という見かけの自己メモ。

おなかが出っ張るのは、ダイエットしてないから「ではない」。

 突然だが、あなたは「国連世界食糧計画」や、あるいは「ユニセフ」の活動について、少なくとも表面的には理解してしているだろうか。
 こういった団体の活動について、すくなくとも知っている(あるいは実際に寄付を行った)方であれば、そういった状態を伝えるために示された『子供が写っていた写真』のことを思い出してみてほしい。
 もしも記憶にない(あるいは関心がなかった)場合には、一度それらのサイトを参照し(賛意があれば実際に寄付を行って)てみてほしい。


 ……なぜここから話が始まるのかというと、「飢餓」と「ダイエット」では、外的要因が異なるものの「摂取食料の制限」という点においては同じ、というところに着目して欲しいからである。
 そういった写真や映像を見てきた記憶を辿ってもらうと、おそらくは『手も足も痩せ細り、お腹だけが出ている』子供の写真にショックを受けた記憶があるのではないかと思う。
 このとき、おなかが出ているのは『太っているから』ではない。お腹周りの筋力が落ちすぎて『内臓を支える力がない』ということに気付いてほしい。


 ダイエットをすると、確かに内臓脂肪は比較的減る(皮下脂肪は減りにくい)。しかし、それと同様に筋力も落ちる。そうすると、支えを失った内臓は重力に引っ張られて骨盤に向けて下垂し、さらには骨格のない前方に向かって突出しようとする……これが「おなかが出っ張る」という結果をもたらす原因である。
 この原理にピンと来ないのであれば、『直立している(内臓が足方向に向かって引っ張られる)ときの、おなかの出っ張り具合』をよく見て観察した後に、仰向けに寝そべってから『寝ている(内臓が背中方向に向かって引っ張られる)ときの、おなかの出っ張り具合』をよく見て観察してみてほしい。直立時と寝ているときの差が、まるっと全て『お腹の筋力が足りないために、内臓を支えきれていない』ことによるものである。
 

 「おなかが出っ張る」という現象を回避するには、お腹周りに筋力をつけて、『背面側の骨格と、腹筋とを組み合わせた器によって、内臓を支える』という考え方で対処することになる。
 腹筋を鍛える前の状態では、腰骨から臍までの間でメリハリなくおなかが出っ張ってしまう。それに対して腹筋を鍛えると、その分だけ臍付近の筋肉は隆起するが、それ以上に内臓を支える力を発揮するので、その分だけ(特に両手をウェストに当てたときに触れる範囲について)おなかが引っ込み、体型にメリハリが出る。


 もしもあなたが『ガチムチのからだ』を目指しているのであれば、内臓脂肪や皮下脂肪を減らすための、特別のトレーニングを必要とするだろう。ただし、単に「ダイエット」の考え方で食事制限をするだけでは筋力も落ちてしまうので、素人がやってうまく出来るものではない、と考えるほうがよい。
 その一方で、普通に暮らして『体調を維持したり、便秘癖を改善したり、腰痛対策としてのトレーニングをする』ことを目的とする場合、内臓脂肪や皮下脂肪を減らすことを目的とする必要は『(医者から指摘されるレベルにない限りは)まったく』ない。ダイエットについて考えたり調べたり実践したりする時間があるなら、それをまるっとすべて筋トレに振り替えてみてほしい。


 おなかが出っ張るのは、ダイエットしてないから「ではない」。
 骨格と腹筋とで内臓を支えることによって、はじめて『健康的に』まとまるものである。
 あなたが『ただ単純に、ガリガリに細い』ことを目指しているのならば、それを止めるつもりはない。その一方で、『腹筋が適度に鍛えられていて、メリハリがある』からだを目指すには、ダイエットなど止めて腹筋を鍛えるべきである。
 だまされた気がして納得いかない場合には、「あなた自身が美しいと思うひとの、おなか」を、たくさん観察してみて欲しい……あなた自身の目で見て判断したときに『ガリガリに細い』ではなく『メリハリがある』ほうが美しいと感じる限り、あなたにとって必要なのはダイエットではなく、腹筋を鍛えることである。

 

 

2012/02/22追記:

 特に『自分目線では太いと感じている女性』の場合、ダイエットを試みて失敗する例が多いと思う。
 十分な体重がある場合、それを支えるために比較的筋肉には負荷がかかっているため、『ダイエットをしようと摂食制限を始めると、筋力が先に落ちてしまいやせにくくなる(ためにリバウンドで体重が余計に増えうる)』ことと、『腹筋を中心とした筋トレを軽くやるだけでも、既に鍛えられつつある腹筋に対して自重が十分に作用するため、痩せた人よりもメリハリのある体型を得やすい』ことに気づいてほしい。
 この場合、自らの体を観察するときには『全体的に細いか太いか』ではなく『メリハリの有無』に着目して、自分の体を観察してみてほしい。そうすると、腹筋を中心とする簡単なトレーニングによって、数ヶ月だらだらやる程度ですら十分な効果が得られることを自覚できるはずである。
 自己評価で『太っている』ということは、「痩せにくい」のではなく、「メリハリのある体を得やすい」のである……そう思い込んでトレーニングすると、体はトレーニングした期間に対して嘘をつかず、必ず正直に反応してくれるものである。