かえで式筋トレ法 開発blog

「簡単」「家で」「誰でも」「気軽に」を目指して、器具不要の低負荷トレーニング法を模索するblog。という見かけの自己メモ。

……とりあえず『体重計』を捨てよう。そして、代わりに『姿見鏡』を買おう。

 筋トレとか、ダイエットとか……について語るより前に、まず『量る』という行為について整理しなおしてみよう。
 そこに、「ダイエットにはまって、しかもリバウンドしてしまうという、落とし穴の理由」が隠れている。


 筋トレについてのみ語る場合、からだの構成を大雑把に言うと、『臓器・脂肪・筋肉・骨格・水分』の五つによって形作られていると解釈して支障がない。
 これらについて「測定=量る」という行為をするとき、『その目的を、適切に達成できる測定方法』は何か?と考えてみたことはあるだろうか。


 一般には『(体脂肪率計つきの)体重計』を思い浮かべるだろう。
 しかし体重計は、『筋トレ=からだづくり』をするという目的に対し、適切な指標は「一切」提供してくれない……ということに、お気づきだろうか。
 体重計は、『臓器・脂肪・筋肉・骨格・水分』の五つを『区別することなく、全部ごった混ぜに』量るものである……それぞれの要素ごとに量るわけではなく、結果として『見えているようで、何も見えない』状態になる。
 定量的な数値は『差を見るための指標』として、とても役に立つ。しかしそれは『正しく実態が見える方法で測定されるとき』に限られている……が、体格について評価する上で『体重』という指標は、上記5つの要素を分解して表示できないため、何の意味もない『無意味な数字』である。


 そうしたときに、どういう方法によって『自らのトレーニング結果を評価するか』という問題にぶつかる。
 このとき、「定量評価すること」にこだわらず、「定性評価でもよいので、見て差分が判るようにする」という方法で妥協できるならば、『姿見鏡』は非常に有用である。
 実際のところ、鏡を使って『記憶にある、過去の自分のからだと比較する』方法を用いる場合、トレーニングによる成果というのは「逆戻りしたりすることなく、週単位で確実に効果が実感できうる」ものである。


 鏡を使って自らのからだを確認するときのポイントは、『静的評価』と『動的評価』の二つある。
 『静的評価』とは、単純に直立したときのからだの状態を見るものである。腕やお腹周りを除けば、それほど目だって効果が見えやすいというものではないが、少なくとも「腹筋を続けたときの、お腹周りの変化」は十分に判りやすい。基本的に、筋トレで始めにやっておくほうが良いのは(常時使う背筋に対して弱いことが常となりがちな)腹筋なので、これで初期の評価をするには十分である。
 『動的評価』とは、鏡の前で何かの動作をしたときのからだの状態を見るものである。トレーニング中に、どういう姿勢でどういう動作(または姿勢)をすると、どの筋肉が反応するか?というのを、動作または姿勢維持のたびに鏡または直視で確認する。直視できるところは直視すれば良いが、物理的に直視できない部分についても鏡を使えば見える、という場合がある。
 鍛えたい部分の筋肉がどう反応するか、ということと、その結果とを、それぞれ鏡で見て『以前見た自分との差分』をトレーニングのたびに観察するかぎり、(体重計のような偶然に振り回されることなく)自らのトレーニングに対して『からだは正直に答えてくれている』ことを実感できるはずである。


 測定をするときには、『それが何を測定しているのか』を、よく見つめてみよう。
 からだつきを良くしようとするなら、とりあえず体重計を捨てよう。そして、代わりに姿見鏡を買おう。
 あなた自身のからだを測る限り、最も優れた測定器とは、あなた自身の「目」と「脳」の組み合わせである……ずっと見慣れてきた「からだ」と、筋トレで少しずつ反応していく「からだ」との『差』を捉えるために、これ以上適した測定器など、まず存在しない。
 自らのからだつきの変化については、鏡で立体的に見ることによって、初めて真実が見えてくる。