かえで式筋トレ法 開発blog

「簡単」「家で」「誰でも」「気軽に」を目指して、器具不要の低負荷トレーニング法を模索するblog。という見かけの自己メモ。

筋トレのためのダイエット、について。

今日はシンプルに。

 

自分の身体がコントロールできない!って悩んだときには、一度↓を読んでみると良いと思う。

 

マンガ『炭水化物が人類を滅ぼす』?最終ダイエット「糖質制限」が女性を救う!?

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主食をやめると健康になる

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限界を超えなきゃいけない!という話は、『誰にとって』真実なのか……を、落ち着いて考えてみよう。射幸心を煽るもの全てを疑うことで、見えてくることがある。

今日は、考え方の話について。

 一般的に、ほとんどすべての筋トレメソッドにおいて、変わることなく『限界を超えるまでやらなきゃ、意味がない』ということを提言している。
 しかし、それは『ほかの誰でもない、あなた自身にとって』真実だろうか?ということを、一度ゆっくりと考えてみてほしい。

 一般的に、『限界を超える』という言葉から連想されることは、そこまで努力する、ということを意味するはず……ではある。
 しかし、商業的に筋トレを扱うものをよくよく見ると、その中身は単に商業的な『トレーニング用の器具が必要』か『トレーニングについての専門のトレーナーや、専門のトレーニング本などが必要』という意味となっている場合が多い。

 

 『限界を超えるまでやらなきゃ、意味がない』というのは、『ほかの誰でもない、あなた自身にとって』真実だろうか?
 少なくとも、このblogの筆者にとっては「そんなのは商業的に仕組まれた、ただ射幸心を煽るためのうたい文句でしょ」と考えている。
 ……どうしてそう言えるのかというと、単に『だらだらトレーニングをやっている私自身でも、だらだらレベル相応にはトレーニングが成立している』という、目の前の事実をありのままに捉えているから。

 ムキムキの体にならなきゃいけない!というなら、まさに『限界を超えるまでやらなきゃ、意味がない』のは紛れもなく真である。
 ……しかし、あなたは『ムキムキの体を、本当に目指している』のだろうか?目標着地点はほかにあるのではないか?と、冷静に考えてみてほしいのである。

 そもそも、いきなりきついトレーニングを始めてしまえば、たいていは(過去の記憶のとおりに)挫折するはずである。
 そうしたときに、真っ先に必要なことは「筋トレに失敗してリバウンドした経験を忘れて、再び急に筋トレをする」ことではなく、「きついトレーニングにある程度適応できるレベルまで、まず体を鍛え『続ける』癖がつくまで、だらだらとでもいいのでトレーニングを続けていくことを日常とする」ことではないだろうか。

 何事にも、準備運動は必要である……運動をするにしても、「続ける」という習慣を付けるにしても。
 特に『続ける』というのは非常に難しい。
 もしもあなたが、やる気のみでも、コーチング法でも、レコーディング法でも、応用行動分析法でも、どれを使っても失敗した……という経験があるのならば、まずは『限界を超えるまでやらなきゃ、意味がない』という色眼鏡を捨ててみよう。


 筋トレに失敗するのは、意識の問題でもなければ、トレーナーの問題でも、器具の問題でもない。
 それは単に、『あなたが抱いた初期の想いを、ずっと保ち続けることを妨害しないように、挫折感をほかの何かへと変換する考え方』の問題である。

 

とりあえず、腕を太くしてみよう。

 腕っ節を太くしよう!と思い立ったとき、普通に思い浮かぶのは『腕立て伏せ(プッシュアップ)』だと思う。
 ところが、こういった自重トレーニングというのは、とにかく『自重の値は固定されていて、せいぜい姿勢変更による2段階差程度しか付けられず、結果として負荷を自由に変動させる事ができない』だけに、トレーニングしようとしても「ちょうどいい負荷」を見つけられる可能性が低い。

 こうした時、次に思い浮かぶのはダンベルを使う方法だと思う。
 ところが、市販のダンベルを使う場合、『重さによって負荷を決める』という使い方が前提になってしまい、とにかく邪魔だったり制御が面倒だったりと、扱いにくい。
 そして、慣性を利用して質量以上の負荷を掛けようという製品として、例えば『クイックマッチョ』などの製品も存在するが、(電気回路について知識があれば、動画を見るだけで一目瞭然と思うけれど)こういったものは「腕振りと器具挙動のタイミングが、うまく共振するようにタイミングとスピードを合わせ込んで振らないと効かない」ため、結局はこれでも挫折感を味わうことになる可能性がある。


 ……と、(いつものごとく)色々試して軒並み駄目だったので、結局はいつものとおり『かえで式』を組んでみた次第。
 以下に「1分間に120回の速度」と定数を置いているものの、ここは適宜調整されたい(1分間あたりのストローク回数はどれだけ遅くしてもよいので、「20回」の値はなるべく変えないでください)。
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利き手の、手のひらを上に向けて500mlペットボトル(もちろん未開封のもの、できれば角型)を持ち、1分間に120往復の速度で、前後(突き方向)に、ペットボトル1本分(200~220mm)のストロークを20回振る。 すぐにペットボトルを立てて、前後方向に20回。 今度は甲を上にして、前後方向に20回。 最後は小指側を上にして、前後方向に20回。 今度は、小指上→甲上→親指上→手のひら上の順序で、500mlペットボトルを持ち、1分間に120回の速度で、上下方向に、ペットボトル1本分のストロークを20回振る。 最後に手のひら上→親指上→甲上→小指上で、の順序で、500mlペットボトルを持ち、1分間に120回の速度で、左右方向に、ペットボトル1本分のストロークを20回振る。
利き手が終わったら、非利き手で同じことをする。 ────────────────────

 この方法では、負荷を制御できるポイントが
・1往復動作あたりのストローク(距離cm)
・1往復動作あたりのテンポ(テンポ=回数/分)
・1往復動作を何回ずつ繰り返すか(上記例では10回ずつ)
の3点あり、ほぼ連続的に負荷を設定する事ができるため、自由に強度を設定して試してみて欲しい。

 利き手は器用な分だけ『1往復動作あたりのテンポ』を速めることによって負荷を高くしやすいが、非利き手はそうは行かないので、その分を『1往復動作を何回ずつ繰り返すか』の回数を多めにすることによって、両手の筋力差をうまく補正するようにトレーニングしてみるとよい。


 ……と、「500mlペットボトル1本&ちょっとした時間」でできることを提案してみた次第。
 角型の500ml未開封ペットボトルといえば、飲用茶などのパッケージでよく見るパターンなので、鞄に1本忍ばせておいて、お弁当のお供か、緊急時の飲用水くらいの考え方で持っておくといいかと。


────────────────────
2012/02/02追記)

 これらの動作に慣れてきたら、「1往復動作」をするときに、以下の二つを意識して区別しましょう。
  ・腕を引きつけるときの動作を素早く行い、腕を伸ばすときの動作は惰性で行う。
  ・腕を伸ばすときの動作を素早く行い、腕を引きつけるときの動作は惰性で行う。
 それぞれに使う筋肉が異なるので、鏡などでチェックしてみて、バランスを確認してみるとよいです。
 腕を上下に動かすとき/左右に動かすときについても、同じように意識して区別できるようならそうしてみましょう。

いきなり「通し」でトレーニングしてはいけない。運動要素を分解して、一動作ずつ攻略しよう。

 筋トレに対する考え方について、すこし頭を柔らかくしてみよう……って時に、ちょうどいいお題の一つとして『片足屈伸』がある。
 これをこなすために必要なのは、できない状態でただひたすらにやってみること……ではなくて、『考え方を変えて、姿勢と動作を分割して、要素ごとに一つずつ攻略する』ことにある。
 

 運動をした経験が薄い場合、片足屈伸はかなりきつい動作である。
 このとき、かかとにお尻をつけた状態から「一気に」直立して再屈伸しようとすると、うまくいかない。
 そういうときには、姿勢を3つに・動作を45°区切りで四つに、それぞれ分けてみよう。


【姿勢】──まず、三つの状態のうち普段行わない『中途半端に屈伸した状態』を維持するトレーニングをしよう。
・かかとにお尻をつけた状態
(1a)↑ ↓(1b)
・足を地面に対し45°ずつ曲げて(膝のところで90°曲がった状態)、中途半端に屈伸した状態
(2b)↑ ↓(2a)
・直立した状態


【動作】──『中途半端に屈伸した状態』を維持できるようになったら、まず1a←→1bを・次に2a←→2bをやってみよう。
・膝90度曲げの状態と、かかとにお尻をつけた状態との間で、往復する。
(1a)膝90度曲げ→かかとにお尻が付くまで腰を落とす
(1b)かかとにお尻をつけた状態→膝90度曲げ状態まで腰を浮かす

・直立した状態と、かかとにお尻をつけた状態との間で、往復する。
(2a)膝90度曲げ→直立するまで腰を浮かす
(2b)直立した状態→膝90度曲げ状態まで腰を落とす


 『片足屈伸しよう』って考えてトレーニングすると、自分にとって「何の要素がネックになっているのか」を把握しにくく、全部まぜこぜになって混乱してしまう。
 ゆえに、『どの動作はできて、どの動作が出来ないのか』を一つずつに分解して、得意な部分は確実に出来るように&不得意な部分は出来るように……と、要素ごとに細かく分けてトレーニングしていくとよい。


 片足屈伸がしんどくて出来ないときには、自分が本当に『片足屈伸のうち、全ての動作が』できないのだろうか?と、立ち止まってよく観察してみよう……意外と『ある特定の姿勢or動作が出来ないので』片足屈伸が実現できないはず。
 やってみて、出来なかったところを確認して、それに応じて必要最小限のトレーニングをして、再びやってみて……と、『実施・確認・対策』を繰り返すように取り組んでいくことで、できなかったこともだんだんと『できる』ようになるものである。


 はじめから『自分にとっては絶対に出来ない』ことなら、やるだけ無駄と言える。
 しかしながら、からだにはたいてい『眠ってる筋肉』があって、それを起こせばできることも多い。
 片足屈伸をこなすために必要な筋肉は、脂肪たっぷりと思い込んでいる「脚全体」に、実はしっかりと存在している。
 膝に爆弾や不安を抱えていない方は、「だまされたと思って」やってみてほしい。小分けにトレーニングして、自らの脚全体についている『眠れる筋肉』が少しずつ目覚めていくのを確認することによって、自らのからだのことを、より深く理解できるようになる。

自重トレーニング、倍自重トレーニング、相殺トレーニング、筋力差トレーニング

 自重トレーニングでは効果が出にくい、という話はちらほらと聞く、と。
 ただし、だからといって器具が必要か?というと、工夫次第でそれなりに出来ることもある。


 器具を使わないということは、『自分自身の力・自分自身の体重』を使うので、ちょっとした手隙の時間に、その場で出来る。こういった「ちょっとしたときをうまく利用する」と、普段やっている時間や場所とは違った視点で自らを観察できるため、自らのからだの変化について見落としそうなことが良く見えてきたりする。


 たとえば、腕を太くすることを目標とする場合について、工夫のやり方を考えてみよう。
 ちなみに、出力について気にせず『単に太くすればいい』なら、筋力トレーニングをするといっても『きつい動作を繰り返す』という必要はなく、単に『筋肉が反応して太るまで、力を加え続けて静止する』だけでよい。


・倍自重トレーニング
 腕立て伏せをするときに、両腕でやれば『自重トレーニング』である。
 これで負荷が足りなければ、どうするか?と問われれば、誰でもすぐに「片腕立て伏せをすれば、従来の倍だけ加重を掛けられる」ことに気付くはず。
 屈伸をするときに、両足でやれば『自重トレーニング』である。
 これで負荷が足りなければ、どうするか?と問われれば、誰でもすぐに「片足屈伸をすれば、従来の倍だけ加重を掛けられる」ことに気付くはず。
 ……すごく単純なことだけれど、こういった考え方で『工夫すれば自重の倍は掛けられる』ということは覚えておこう。
 


・相殺トレーニング
 まず、胸の前で両手を組んで、「両腕の力で手のひらを圧迫」してみよう。手のひらの位置を前後上下にずらすと、位置によって反応する筋肉が異なる(いずれも内側の筋肉が反応する)ということが感じられるはずである……そして、「両手で力を相殺し、結果として静止している」ことに気付くと思う。これが相殺トレーニング。
 指を組んだまま両腕で引っ張れば、先とは逆の感触を得られる(いずれも外側の筋肉が反応する)はず。


 次に、右手の手のひらを自分に向け、それに左手の手のひらを合わせてみよう。その状態で、右手は自分のからだに向けて力を掛け、左手は自分のからだから押し出す方向に力を掛けてみよう。感触が得られたら、右手と左手の関係を逆にして、右手では自分のからだから押し出す方向に、左手は自分のからだに向けて、それぞれ押してみよう。
 また、両手で掴みやすい『小さく四角い枠状のもの』があれば、それを両手で持って押したりひいたりしてみてもよい。そういったものがなければ、両手の指同士を(指相撲をするかのように)絡めて、互いに押したり、互いにひいたりしてみてもよい。


 さらに、十分に太くて曲がる恐れのない、きちんと固定された水平なパイプ(机とか、手すりとか)に対して手を掛けて、それをへし折るように力を掛けてみよう。手前に折り曲げようと力を掛けてみたり、向こう側に折り曲げようと力を掛けてみるなど、両腕で同じだけの力を掛けるよう注意しつつ。
 ……とまぁ、これも単純なのだけれど、こういった考え方で『工夫すれば両腕同時とか、両腕で互いに鍛えたりできる』ということは覚えておこう。


・筋力差トレーニング
 背筋・胸筋を鍛えようとするときに、専用のトレーニングマシンを使うのではなく「太ももに腕を引っ掛けて、似た動作をする」って選択肢がある。
 当然、専用機ではないので可動範囲がわずかだから、「動かす」のではなく「力を掛けて静止する」ことしか出来ないけど、どう力を掛ければどこの筋肉が反応するか?を見る程度の話でよければ、これでも十分。足りなければジムに行って専用機で鍛えよう。


 ……といった感じで、器具を使わなくても「姿勢や力の掛け方を工夫する」だけでも、できることは色々ある、ということは把握できただろうか。
 むやみやたらとトレーニングするのではなく、『何をすれば、どこに効くのか』というのを、自分のからだを見つつよく観察することは、トレーニングの『時間当たり成果』を高めるために役立つし、やって損することもない。


 文字入力動作に慣れてくると、指に記憶が宿る……というのと同じように、全ての筋肉には「動作の記憶が宿る」し、からだは常に嘘をついたりしない。
 自分のからだを見つめてみて、自分のからだを動かしてみて、自分のからだに聴いてみよう。
  
 

おなかが出っ張るのは、ダイエットしてないから「ではない」。

 突然だが、あなたは「国連世界食糧計画」や、あるいは「ユニセフ」の活動について、少なくとも表面的には理解してしているだろうか。
 こういった団体の活動について、すくなくとも知っている(あるいは実際に寄付を行った)方であれば、そういった状態を伝えるために示された『子供が写っていた写真』のことを思い出してみてほしい。
 もしも記憶にない(あるいは関心がなかった)場合には、一度それらのサイトを参照し(賛意があれば実際に寄付を行って)てみてほしい。


 ……なぜここから話が始まるのかというと、「飢餓」と「ダイエット」では、外的要因が異なるものの「摂取食料の制限」という点においては同じ、というところに着目して欲しいからである。
 そういった写真や映像を見てきた記憶を辿ってもらうと、おそらくは『手も足も痩せ細り、お腹だけが出ている』子供の写真にショックを受けた記憶があるのではないかと思う。
 このとき、おなかが出ているのは『太っているから』ではない。お腹周りの筋力が落ちすぎて『内臓を支える力がない』ということに気付いてほしい。


 ダイエットをすると、確かに内臓脂肪は比較的減る(皮下脂肪は減りにくい)。しかし、それと同様に筋力も落ちる。そうすると、支えを失った内臓は重力に引っ張られて骨盤に向けて下垂し、さらには骨格のない前方に向かって突出しようとする……これが「おなかが出っ張る」という結果をもたらす原因である。
 この原理にピンと来ないのであれば、『直立している(内臓が足方向に向かって引っ張られる)ときの、おなかの出っ張り具合』をよく見て観察した後に、仰向けに寝そべってから『寝ている(内臓が背中方向に向かって引っ張られる)ときの、おなかの出っ張り具合』をよく見て観察してみてほしい。直立時と寝ているときの差が、まるっと全て『お腹の筋力が足りないために、内臓を支えきれていない』ことによるものである。
 

 「おなかが出っ張る」という現象を回避するには、お腹周りに筋力をつけて、『背面側の骨格と、腹筋とを組み合わせた器によって、内臓を支える』という考え方で対処することになる。
 腹筋を鍛える前の状態では、腰骨から臍までの間でメリハリなくおなかが出っ張ってしまう。それに対して腹筋を鍛えると、その分だけ臍付近の筋肉は隆起するが、それ以上に内臓を支える力を発揮するので、その分だけ(特に両手をウェストに当てたときに触れる範囲について)おなかが引っ込み、体型にメリハリが出る。


 もしもあなたが『ガチムチのからだ』を目指しているのであれば、内臓脂肪や皮下脂肪を減らすための、特別のトレーニングを必要とするだろう。ただし、単に「ダイエット」の考え方で食事制限をするだけでは筋力も落ちてしまうので、素人がやってうまく出来るものではない、と考えるほうがよい。
 その一方で、普通に暮らして『体調を維持したり、便秘癖を改善したり、腰痛対策としてのトレーニングをする』ことを目的とする場合、内臓脂肪や皮下脂肪を減らすことを目的とする必要は『(医者から指摘されるレベルにない限りは)まったく』ない。ダイエットについて考えたり調べたり実践したりする時間があるなら、それをまるっとすべて筋トレに振り替えてみてほしい。


 おなかが出っ張るのは、ダイエットしてないから「ではない」。
 骨格と腹筋とで内臓を支えることによって、はじめて『健康的に』まとまるものである。
 あなたが『ただ単純に、ガリガリに細い』ことを目指しているのならば、それを止めるつもりはない。その一方で、『腹筋が適度に鍛えられていて、メリハリがある』からだを目指すには、ダイエットなど止めて腹筋を鍛えるべきである。
 だまされた気がして納得いかない場合には、「あなた自身が美しいと思うひとの、おなか」を、たくさん観察してみて欲しい……あなた自身の目で見て判断したときに『ガリガリに細い』ではなく『メリハリがある』ほうが美しいと感じる限り、あなたにとって必要なのはダイエットではなく、腹筋を鍛えることである。

 

 

2012/02/22追記:

 特に『自分目線では太いと感じている女性』の場合、ダイエットを試みて失敗する例が多いと思う。
 十分な体重がある場合、それを支えるために比較的筋肉には負荷がかかっているため、『ダイエットをしようと摂食制限を始めると、筋力が先に落ちてしまいやせにくくなる(ためにリバウンドで体重が余計に増えうる)』ことと、『腹筋を中心とした筋トレを軽くやるだけでも、既に鍛えられつつある腹筋に対して自重が十分に作用するため、痩せた人よりもメリハリのある体型を得やすい』ことに気づいてほしい。
 この場合、自らの体を観察するときには『全体的に細いか太いか』ではなく『メリハリの有無』に着目して、自分の体を観察してみてほしい。そうすると、腹筋を中心とする簡単なトレーニングによって、数ヶ月だらだらやる程度ですら十分な効果が得られることを自覚できるはずである。
 自己評価で『太っている』ということは、「痩せにくい」のではなく、「メリハリのある体を得やすい」のである……そう思い込んでトレーニングすると、体はトレーニングした期間に対して嘘をつかず、必ず正直に反応してくれるものである。

 

あなたには『筋肉がない』わけではない。あなたの『筋肉は寝ている』のだ。寝ている筋肉を起こそう。

 あなたの二の腕は、ぷよぷよとした脂肪だらけだろうか。
 あなたのふとももは、ぷよぷよとした脂肪だらけだろうか。
 あなかのおなかは、ぷよぷよとした脂肪だらけだろうか。
 ……本当にそう思っているのならば、直ちにその考えは捨て去って欲しい。


 そのことを体感してもらうために、まず二つの考え方を示す。
 ・はじめは『運動して、筋肉を鍛えよう』と思ってはいけない。
 ・『力を掛け続けると、筋肉が腫れる』と考えてみてほしい。
 この考え方をもとに、ためしに『手では動かせない、がっちり固定されているもの』に手を掛けてから、ゆっくりとそれを持ち上げるように腕で力を掛けていき、筋肉が痛くなり始めたあたりの力で数十秒維持してみてほしい。
 そうすると、数十秒後に手を離した後も、腕の筋肉がいくらか腫れたように膨らみを維持するはずである……腕に痛みが残らない範囲で、数日間にわたってこれと同じ動作を「思い立ったときに繰り返して」みていくと、それが単なる腫れではなく、『力を掛けようとする意思に沿って、それに必要な筋肉だけが働いている』という感触を得られるはずである。
 あなたの体中には、こういった『寝ている筋肉』がたくさんあるはず……筋トレは、それを『起こしていく』作業に他ならない。


 『筋トレ』というと、真っ先に『運動しまくる』というイメージが立つ。
 しかし、もともとそういったことに縁遠かった場合、いきなり運動しても『疲れてしまって続かない』のがオチである。
 そうしたときに、筋トレに対する考え方として『動的に複数回力を掛ける』のではなく『静的に力を掛け続ける』方法もあるということを知っていると、トレーニングするときの心理的負担はぐっと減るはずである……そのことに気付いてもらうことを目的として、先の「ただ力を掛け続けるだけ」という方法を紹介した。

 
 腕の筋肉を起こす方法について体感してもらったところで、続いて一つの『簡単に続けられる、腹筋のルール』を提案する。
 『腹筋』と聞くと、これもやはり動的なトレーニングを連想してしまいがちなので、すごく身構えるかもしれない……というか、私自身が実際にそうだった。そこで、三日坊主どころか一日坊主が常習化している私にとって、もっとも挫折しにくくなるようにルールを組んでみたので、ピンと来た人は試してみて欲しいし、だまされたと思って試してみてもよいと思う。


 やることを一言で言うと、すなわち『お布団被って、寝しなにだらだら腹筋をする。』ということである。
 ここでは脂肪燃焼について一切考慮せず、単純に「脂肪の下にある筋肉を鍛える」事だけを目的としているため、実際に腹筋が鍛えられたあとでも、皮下脂肪があるために腹筋の見た目は極端には変わらない。その一方で、腹筋に力を入れたときに触る感触は明らかに変化するし、腹筋が鍛えられることによって内臓を支える力が復活するので「立ち姿でおなかが出っ張りにくくなる」ことと「便秘癖のある人にとって改善効果がある」ことはほぼ間違いないはずではある。

 
【腹筋のための予備トレーニング】
 「腹筋運動をする」という考え方ではなく、「腹筋を使って、中途半端にからだを起こした状態を維持する」という考え方で取り組む……つまり、動くのではなく、『腹筋の途中姿勢で維持』することだけを目標にする。
 寝るためにと布団に入ったら、腕を水平にしたまま、からだを30°~45°程度起こす。腹筋がぷるぷると震えてキツくなってくるはずなので、耐え難いと思うところに来るよりも少し前に、一旦力を緩めて寝そべる。
 これを何度か繰り返し、少しでもからだを起こすと腹筋が痛いという感じがしたら、その時点で当日のトレーニングは終了。
 翌日~翌々日くらいは腹筋が痛むので、痛いときには絶対にトレーニングをしないこと。2~3日後の痛みがひいたころを見計らって、再び『腹筋の途中姿勢で維持』をやってみる。


 このときの注意点として、絶対に『耐え難いと思うところ』に来るまで静止維持をしないこと。その手前で一旦力を抜いて、小休止して落ち着いたら再びやる……という事を繰り返すこと。
 このトレーニングでは『連続して静止維持出来ていた時間』など何の意味もない。『その夜に静止維持出来ていた時間の累積値』のみが重要である。小休止を細かく取れば累積時間が長く取れるという場合は、積極的に小休止をはさんで欲しい。
 数十秒~一分以上、静止維持を持続できるようになってから、つぎの『実際に腹筋をしてみる』ところに移ってほしい。おおむね、1~2週間程度でいけると思われるが、個人差は大きいはずなので、自らの判断をもって決めて欲しい。


【実際に、小休止をはさみつつ腹筋をしてみる】
 寝るためにと布団に入ったら、腕を水平にしたまま、からだを90°程度まで起こし、そしてゆっくりと寝る、ということを繰り返す。腹筋がぷるぷると震えてキツくなってくるはずなので、耐え難いと思うところに来るよりも少し前に、一旦力を緩めて寝そべる。
 これを何度か繰り返し、少しでもからだを起こすと腹筋が痛いという感じがしたら、その時点で当日のトレーニングは終了。
 翌日~翌々日くらいは腹筋が痛むので、痛いときには絶対にトレーニングをしないこと。2~3日後の痛みがひいたころを見計らって、再び『小休止をはさみつつ腹筋』をやってみる。


 このときの注意点として、絶対に『耐え難いと思うところ』に来るまで腹筋をしないこと。その手前で一旦力を抜いて、小休止して落ち着いたら再びやる……という事を繰り返すこと。
 このトレーニングでは『連続して腹筋できた回数』など何の意味もない。『その夜に腹筋できた回数の累積値』のみが重要である。小休止を細かく取れば腹筋回数が多く取れるという場合は、積極的に小休止をはさんで欲しい。



 ……こういった『だらだらとトレーニング』という方法は、一般に効率がよくない。
 しかしながら、効率のよい方法をやろうとしても『続かないのならば、何の意味もない』わけで、ここでは『とにかく続けやすく、つらくなりにくい』方法を提示することにした。
 当然、効率がよくないので効果が出るには時間が掛かる。便秘癖の改善には1~2週間後に、腹筋に力を掛けた場合の触った感触の変化は1~2ヶ月後に現れるはずである。
 三日坊主どころか一日坊主が関の山、というひとや、体力がなさすぎて続いたためしがない、という方にこそ試してもらいたいという思いで、この『だらだらとトレーニング』を提案する。

 

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2012/02/05追記)

 体はとても正直 で、痛みに関する誤ったメッセージを発することは、まずない。そのため、上記のことを、より簡単に説明するためには、痛みというメッセージを、以下のよう に「腹筋さんが喋る声」と解釈してみよう。そうすることで、より簡単に、このルールを理解し、人にも伝えることができる。

・はじめに1~2回腹筋テストをしてみて、そこですでに腹筋が痛い時は、腹筋が『今日は腹筋をする日じゃないよ!』って言っている。

・腹筋テストで痛みがなければ、何回かやってみる。そのうち腹筋が痛み出したら、腹筋が『そんなに続けないで、一旦小休止しようよ~。』って言っている。

・何度か休憩しつつ腹筋を続けて、腹筋が結構痛くなったら、腹筋が『ん、よくがんばったよ!あとはそのまま寝ようよ。』って言っている。

……と、こんな感じで『擬人化』してみると、腹筋の痛みからネガティブな「挫折感」を連想する恐れが減り、「体が発する、正直なメッセージ」とポジティブな捉え方が可能になる。
 あなたの「腹筋さん」が言うことは、あなたにとって常に真実です。体が言うとおりに腹筋を鍛えれば、「腹筋さん」は絶対にあなたを裏切らないし、あなたがトレーニングしたとおりに応えてくれます……トレーニングすれば筋力がつくことは、誰にとっても正しい。

 

 ……ケータイやパソコンの操作に慣れると、時折『指に宿る記憶』を実感するときがあると思います。それと同じように、『腹筋に宿る記憶』もまた実在します。

 腹筋が痛いときには無理してトレーニングしなくても、その姿形をきちんと保ち続けています。そして、わずかなトレーニングでも積み重ねていけば、少しずつ腹筋運動できる回数も増え、鍛えた腹筋があなたの姿形をより良くしてくれます。

 長い期間をかけて、ゆっくりじっくりと「腹筋さん」の声に耳を傾け続けてみましょう。決して、あなたの期待を裏切ったりはしません。